カワソーテクセルは陶磁器製造を原点とするセラミックス・金属の気密接合専門メーカーです。

開発秘話
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融解チタンメタライズ法の開発秘話

独自の融解チタンメタライズ法

融解チタンメタライズ法とは、セラミックスの表面に活性金属ペースト(チタンベース)を塗布して、真空炉中で高温処理し、セラミックス表面に強固な金属層を形成した後、めっき処理し、接合金属をろう付やはんだ付する方法です。
セラミックスと金属を強固に接合でき、接合部の気密性や耐熱性、長期信頼性に優れております。
当社の融解チタンメタライズ法は、純水に対する耐食性に特に優れており、お客様より評価いただいております。


開発経緯

当社が融解チタンメタライズ法の手法を用いた製品の製造販売を始めたのは1983年です。
1980年に電力会社からセラミックスにクロム銅製の電極の接合に困っているので、当社で接合ができないかといったお話をいただいたのがスタートです。

しかし、セラミックスと金属の接合は、大阪工業試験所(現 産業技術総合研究所 関西センター)で、耐熱接着法・炭酸銀法・硫化銅法等の技術指導を受け、接合技術開発をスタートさせましたが簡単ではありませんでした。

そこで「活性金属法」というTi、Zr等を入れたろう材で、一回の加熱操作でろう付する方法で接合を行いましたが、気密の信頼性にやや欠ける面がありました。
また、水素ガス雰囲気の炉中で、熱処理を行い、セラミックス表面に金属層を形成させるメタライズ法「Mo-Mnメタライズ法」があります。こちらの手法は、熱処理温度が約1500℃と高く、メタライズ後に主として使用される銀ろうの融点が780℃と温度差があるため、もう少し低温で処理できるメタライズ法が無いかを模索しました。
そこでたどり着いたのが、活性金属を用いた「融解チタンメタライズ法」の開発でした。活性金属の良さと、メタライズの高気密の信頼性を併せ持つことで、高気密性を有します。さらに、アルミナの純度を選ばない、しかも熱処理温度が低いことでエネルギーを抑え、CO2削減に寄与することができる画期的なメタライズになると考えました。


多岐にわたる用途

「融解チタンメタライズ法」を用いた製品は、半導体装置や医療用装置、航空宇宙産業など幅広い分野で採用いただき、先端産業を陰で支えています。
また、1988年に開発した「水冷用セラミック管」というメタライズ製品をあらゆる加速試験をして頂いた結果、当社の「融解チタンメタライズ法」であれば接合部の活性金属が純水中に溶出しないことが確認されました。Mo-Mn法で接合したセラミックス・金属の純水用配管では、モリブデンが純水中に溶出しますが、チタンではそれがなく、純水に対する耐食性に優れていると評価を受け、「水冷用セラミック管」は当社のメタライズ製品として最初のヒット製品となり、今日まで30年以上水漏れは発生していません。

図
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